- 共通仮設工事の担当になったんだけど…
- 必要な資機材が分からない
- どんな資機材を注文すれば良いか具体的に教えて!
土木、建築を問わず、構造物の施工を始める際に必要な共通仮設工事。今後の工事を円滑に進めるために、現場の準備を行う必要があります。若手現場監督で現場ヤードの計画を任されて、何が必要なのか分からずに戸惑っている人も多いはず。
私自身、ゼネコンで現場監督を初めて半年ほどで、先輩からいきなり共通仮設工事の計画を任されました。現場に何が必要なのか分からずに頭を悩ませた経験があります。
そこでこの記事では、未経験者でも迷わずに共通仮設工事の準備ができるように、必要な資機材をまとめました。この記事を読めば、「共通仮設工事で必要な資機材」が分かります。
私がゼネコン現場監督として共通仮設工事の準備を行った経験をまとめました。共通仮設工事について詳しく知りたい方は最後まで読んでください。
共通仮設工事の概要
共通仮設工事とは、建設物本体の施工とは直接関係ないものの、工事を安全かつ円滑に進める上で必要不可欠な仮設工事のことです。例えば、下記の工事が当てはまります。
- 仮囲い工事
- 現場整備工事
これらの工事を進めるためには、資機材の段取りを間違いなく行う必要があります。それぞれの工事で必要な資機材を列挙します。
仮囲い工事で必要な資機材まとめ
仮囲い工事で必要な資機材は下記です。
- フラットパネル
- ガードフェンス
- 打ち込み杭&オレンジネット
- 単管バリケード
- キャスターゲート
- 鉄板
- ワイヤーロープ
- 単管パイプ・クランプ
フラットパネル
一般的な工事現場に張り巡らされているパネルのことです。一般的には白色のパネルを使用しますが、交差点の部分などの見通しが必要な場所では、透明色を使用します。騒音を低減したり、関係者以外の立ち入りを防いだり、景観の悪化を防いだりする目的で設置されます。手配する際は、仮囲いの外周の長さを確認してください。施工する際は、風で倒れないように単管パイプで控えを取りましょう。
ガードフェンス
ガードフェンスも、工事現場でよく使用されているものです。工事現場を想像した際、真っ先に思いつく方も多いはず。人の立ち入りを制限したい場所で使用します。虎模様のガードフェンスが一般的ですが、環境に配慮したデザインを使用している現場も。設置がフラットパネルよりも簡単なので、盛替えや頻繁に取り外しが必要な現場に最適です。
打ち込み杭&オレンジネット
打ち込み杭は、地盤に打ち込んで使用する単管杭のことです。ハンマーで打ち込むことも可能ですが、油圧杭打ち機を手配すると楽に施工できます。アスファルトにも打ち込み可能で、簡単に抜けにくいという特徴があります。仮囲いの外周の長さを打ち込み杭の設置ピッチで割った値が、必要な本数です。
オレンジネットは、打ち込み杭に引っ掛けることによって、仮囲いとして使用します。フラットパネル設置と比べると、立ち入り禁止効果が少ないです。騒音低減効果もありませんが、その分安価で設置することができます。人の出入りが少ない現場で主に使用されます。フラットパネルと同じく、仮囲いの外周の長さ分注文しましょう。
単管バリケード
道路工事などでよく見かけるバリケードです。サルやウサギなどの動物型を見かけたことがある方も多いはず。最近はアニメキャラクターを使用しているバリケードもあります。使用する単管の長さによって、バリケードの幅を変えることが可能です。
キャスターゲート
左右にスライドさせて使用するゲートのことです。一般的な工事現場の出入口に使用されます。出入口に該当する箇所の箇所だけ必要です。出入口部分の道路幅に応じて、適切な長さのキャスターゲートを選びましょう。鍵をかけるために、南京錠とチェーンも合わせて用意しておく必要があります。
鉄板
キャスターゲートの横移動を容易にするために、ゲートの下に鉄板を敷くことがあります。写真のように砕石が敷かれている道路の上では、ゲートのタイヤが引っかかってしまうからです。また、車両の通行を容易にしたり、タイヤ痕を防いだりする目的で、複数枚の鉄板を敷並べて溶接することもあります。
ワイヤーロープ
簡易的な空頭防護を設置する際に、ワイヤーロープを使用することがあります。通行車両の高さ制限を見える化するのが目的です。積載高さオーバーによる公道での架空線等の破損を食い止めることができます。写真では、単管パイプの所定の高さにクランプをつけることで、固定しています。
単管パイプ・クランプ
各仮囲い資材を固定したり、控えを取ったりするのに必要です。単管パイプの長さは様々なので、用途に適した長さを注文するようにしましょう。クランプも複数の種類があります。特に直交クランプと自在クランプは、使用頻度が高いです。
現場整備工事で必要な資機材まとめ
現場の整備工事で必要な資機材は下記です。
- 休憩小屋
- 資材倉庫
- カラーコーン&バー
- 鉄ピン&トラロープ
- 発電機
- 仮設トイレ
- 自動販売機
- SL看板
休憩小屋
作業員さんが休憩する場所を確保するために、仮設ユニットハウスが必要不可欠です。使用人数や設置場所を検討した上で、必要な数だけ手配しましょう。仮設ユニットハウスなら、現場で組み立てる必要はなく、設置すればすぐに使用することができます。休憩小屋内で使用する長机や椅子、棚などの準備も合わせて行います。
発電機
休憩小屋を設置するタイミングで、発電機も搬入しておきましょう。小屋内の照明を確保するのに必要だからです。設置する小屋の数によって、必要な発電機の個数が変わります。また、エアコンを使用するかどうかによっても、必要な電力量が異なります。小屋内に発電機の電力を配線するために、専門業者も合わせて手配してください。
資材倉庫
施工に必要な資材を保管するために、資材倉庫を手配します。用途によって、倉庫を分けるのがおすすめです。私の現場では、3種類の倉庫を用意しました。
- 元請け職員用の倉庫(測量器具など)
- 工事業者用の倉庫
- PC橋梁特有の資材倉庫
これら全てを同じ倉庫に入れてしまうと、在庫管理を行うことが不可能に近いです。現場に応じて、必要な倉庫の個数を検討してください。
カラーコーン&バー
安全通路の整備や、重機使用範囲の明示などの用途で使用します。現場に必要不可欠な資材です。簡単に移動できるというメリットがあります。風で吹き飛ばないように、カラーコーンは重いものを使用する、もしくはおもりを載せる必要があります。仮設工事に着手する際は、真っ先に手配することをお勧めします。
鉄ピン&トラロープ
カラーコーン&バーと同様に、安全通路や重機使用範囲の明示が目的です。ハンマーで打ち込んだ鉄ピンに、トラロープを巻き付けて使用します。写真のように、鉄ピンの先端にピンクリボンをつけて、設置場所を見やすくする工夫を行うことが多いです。カラーコーン&バーとは異なり移動が容易ではないので、長期間盛替えをしない場所で使用することをおすすめします。
仮設トイレ
仮設トイレの手配も忘れないようにしましょう。工事初日から確実に搬入する必要があります。トイレがないと、作業員さんが排泄のためにわざわざ現場から出ないといけなくなるからです。小便器・和式・洋式などの種類があるので、現場に出入りする人数に応じて各種の個数を決定してください。
自動販売機
急ぎで搬入する必要はありませんが、自動販売機も現場にあると便利です。作業の一服の際は、ほとんどの作業員さんがコーヒーやジュースを買い求めます。売り切れがあるとすぐに補充を頼んでほしいと言われるくらいです。休憩小屋の横に最低でも1つは用意しましょう。
SL看板
工事現場では、ほぼ確実にSL看板を設置します。SLは、スコッチライト反射材製品に由来しますが、反射機能のない工事看板も含めてSL看板と呼んでいます。例えば、以下のような看板があります。
- 一時停止
- 徐行
- 工事関係者以外立入禁止
幅が550mmの通常サイズと、幅が275mmのハーフサイズがあります。用途に応じて、サイズを選んでください。
共通仮設工事で必要な資機材
本記事では、共通仮設工事で必要な資機材について徹底解説しました。仮囲い工事、現場整備のそれぞれで必要な資機材を再度まとめます。
- フラットパネル
- ガードフェンス
- 打ち込み杭&オレンジネット
- 単管バリケード
- キャスターゲート
- 鉄板
- ワイヤーロープ
- 単管パイプ・クランプ
- 休憩小屋
- 資材倉庫
- カラーコーン&バー
- 鉄ピン&トラロープ
- 発電機
- 仮設トイレ
- 自動販売機
- SL看板
私は、初めての共通仮設工事に戸惑いながら手探りで資機材の手配を行った経験があります。その際に準備した資機材についてまとめました。もちろん必要な資機材は現場によって異なりますが、上記の項目をおさえておけば、共通仮設工事の段取りは滞りなく行うことができます。ぜひ、本記事の内容を参考に共通仮設工事の施工管理業務を進めてください。